2016-07-26

そろばんの注意点

連載コラム – 海外子女教育でよくある話


そろばんには、計算力だけでなく集中力を向上させる効果があります。実際にそろばんを指導していて、この効果は大きいと実感しています。しかしそろばんにも良い面だけでなく、注意すべき点もありますので、ご留意頂けたらと思います。

①正確さが欠けてしまうこともある

普通なら「そろばん経験者」は「そうでない人」よりも正確に計算する力がつくはずですが、みんなそうなるとは限らず、逆に計算ミスが多発する場合もあります。これは公文式をやっていた生徒にも少なからず見受けられます。

その原因として、「スピード重視」の演習形式が挙げられます。十分な計算力が身についていないのに急いで解こうとすると、しっかり考えずにとりあえず答えを出すことを優先してしまい、ミスが多くなるのです。確かにテンポよく解くことで計算力が向上する面はありますが、それは基本の理解が前提となる話です。「何となく分かっている」という段階では、スピードよりも正確さを優先して取り組む必要があります。

②低学年では理解度に差が出る

現在指導している生徒の中には、小学1年生で「かけ算(小2後半相当)」に進んでいる生徒もいますし、小学2年生で「2けたでわるわり算(小4相当)」に進んでいる生徒もいます。ただしこれには個人差があり、同じ学年の生徒が同じ時期に始めても、進み具合は大きく異なります。これは能力の差ではなく、その時期における「成長段階の差」です。ちゃんと座って取り組めるか、体力的に集中力を持続できるか、そろばんや数に対して興味を持てるか…等、いろいろな段階でのポイントがあります。

たとえ他の生徒が先に進んでいたとしても、「うちの子は遅れている」と考える必要はありません。余計な心配はお子様に影響を与えてしまいます。他者と比較するより、現状の成長段階を踏まえた適切なペースを見出す方が重要なのです。

③上の級を取得するよりも大事なこと

そろばんの場合、基本事項を習得した後に、10級、9級、…と進んでいきます。次の級に進むためには試験に合格する必要があり、合格できればモチベーションが上がり、昇級すればより難しい内容に触れることができます。生徒にとって上の級に進むことは大きな目標になります。

ところでこの昇級試験は、制限時間内に基準の点数をクリアすればいいので、別に満点を取らなくてもいいのです。例えば6~4級は300点中210点(7割)が合格ラインとなっています。つまりある程度の計算ミスが許される設定になっているのです。このミスが慢性化し、何となく分かっているつもりで先に進んでも、次の級で壁に当たってしまいます。

そうならないようにするには、間違えた問題の直しを必ず行うことが大切です。間違えた原因を把握し、正しい答えを出す感覚を身につけることで、次につながります。級の合格だけに目が行きがちですが、大事なのは実力をつけることと、将来に向けての視点を持つことです。

さいごに

そしてこれらはそろばんに限らず、英検や漢検でも同じだとお考えください。ギリギリで合格しても、そこでしっかり復習しなければ上の級には通用しないのです。(大塚)

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