2016-04-30

帰国枠をどのように考えるか

連載コラム – 海外子女教育でよくある話


海外生が中学・高校・大学を受験する場合、学校によっては「帰国生入試」や「帰国枠」を利用することができます。初めて海外に来るご家庭も多い時期なので、今回はこの帰国生入試の制度等についてお話したいと思います。

①学校によって異なる概要

帰国生を対象にした入試は、行なっている学校とそうでない学校があります。入試形態も学校によって異なり、日程や科目が一般入試と異なる場合も多くあります。さらにいくつかの学校は「海外入試」という名称でバンコク等の海外でも入試を行なっています。このように帰国生入試の内容は学校によって大きく異なるので、情報をしっかり把握する必要があります。

また帰国生入試の受験資格として、滞在期間や帰国してからの期間が設定されていますが、これも各学校で異なります。日本に本帰国しても帰国枠を利用できる学校も多数あります。またインター校にお通いの場合、在籍する学年によって受験できない場合もあるので、注意が必要です。

②帰国生入試のメリットは大いに活用すべし

帰国生入試では、一般入試に比べて科目数が少なくなったり、問題が易しくなったり、当日の入試得点に加点されたりします。また一般入試と別の日程で実施される場合、年内や年明けの早い時期に入試が行われるので、実戦的な練習を経験することができます。さらに早めに合格を手にすることにより、安心材料を得るだけでなく、第一志望校に向けての準備期間が十分確保できるようになります。

このように帰国生入試は、第一志望校が実施している場合はもちろんのこと、併願校の受験を考える場合にも有効に活用すべきものなのです。

③目指すのは一般入試で合格できる力をつけること

このように書くと「帰国生入試はお得だ!」というイメージを持つかもしれません。確かに学校によっては、一般入試に比べて倍率が低く「合格しやすい」場合もあります。しかし私たちが考えるべきことは、「合格するかどうか」だけではなく、「入学した後に成長できるかどうか」です。正しい学習習慣が身についていなければ、入学後に伸び悩みます。周りの生徒に比べて基礎学力が弱ければ、入学後の学習で不利になる可能性もあります。

さいごに

結局のところ中学受験・高校受験とも、帰国生入試で受験する場合でも、一般入試で合格できる学力を身につけることが必要なのです。別日程で帰国生入試が実施される場合でも、多くの学校は一般入試に似た形式で、それに近いレベルの問題を出しますので、入試問題演習は一般入試の過去問で練習する必要があります。

また中学受験の場合、もし国語・算数の2科目で受験できるとしても、一般入試で4科目が必須ならば、理科・社会の勉強はある程度まではやっておくべきです。できるだけ中学受験コースの生徒に4科目を受講するよう勧めているのは、「今後の受験校の可能性」と「入学後の学力差」を意識しているからなのです。

あくまでも帰国生入試とは「楽に合格できる抜け道」ではなく、「受験機会が増えてチャンスが広がる」ものとして考えるべきです。どのように捉え、利用するかによって、今後の可能性が大きく変わります。(大塚)

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