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教育コラム 「先生、その教育もう古いです!」

【第10回】 中学受験で英語入試が増えてどうなる?

5教科

 以前少し書きましたが、中学受験で英語入試を導入した学校がこの4年間で7倍に増加しています。大学入試改革で英語の民間試験が導入され、実践的な英語力が求められる中で、そのような力のある生徒を取り込んでいきたいのが学校側の狙いです。実際に各学校の先生から聞くと、英語を話せる生徒が多くなればクラスの中で英語が飛び交い、周りの生徒が刺激を受けて結果的に全体のレベルが上昇する流れができるようです。
 ここで対象になるのはインター校や欧米の現地校生ですが、それ以外の生徒(日本人学校生や国内生)も英語力があれば受験できるので、予想以上に多くの受験生が英語入試に集まっています。前年度の入試結果を見ると、英語に力を入れていて人気が上昇している学校には帰国生入試でも多くの受験生が集まり、倍率も急上昇しています。そうなると合格するためにはより高い英語力が求められ、そのための対策が必要となり、さらに全体のレベルが上がり、・・・という循環が生まれます。
 この現状を、中学受験を目指すインター校生のご家庭はしっかり認識する必要があります。「インター生は英語を利用して受験すれば有利になる」という考え、はっきり言って甘いです! 英語だけで勝負するならば欧米の現地校生と同じかそれ以上のレベルを身につけなければいけません。しかもそのような入試タイプの学校はあまり多くないので、一般入試よりも高い倍率(4~5倍)になるところもあります。インター校に通って身につく英語力よりもさらに高いレベルを求められるので、しっかりと入試対策を進めておくことが求められます。
 英語に対してそこまでの経験や自信がなければ、中学受験レベルの国語・算数をしっかり学習する必要があります。帰国生入試は一般入試よりも問題が易しくなると言われていますが、それでも算数は中学入試特有の問題(つるかめ算・流水算などの文章題)が出題されますし、人気が高い学校では出題レベルや競争倍率が一般入試と同じくらいになります。また学校によって入試科目の組み合わせは異なるので、国語・算数・英語どの科目でも対応できるように準備して、受験校を幅広く選択できるようにするべきです。実際のところ、バンコクから中学受験するインター校生は、このパターンで力を発揮できる生徒が多いと思います。
 英語で受験できる中学校が増えて、インター校生にとって選択肢は広がりました。しかしそれ以上に受験者数が増えて、競争レベルや倍率が予想以上に上がっています。「行きたい学校」に合格するには、これからますますレベルが上昇する可能性があることへの覚悟と、それを踏まえての十分な準備期間が必要なのです。