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教育コラム 「先生、その教育もう古いです!」

【第17回】 算数・数学が入試では決め手になる?

数学者

 受験指導でよく言われることの一つに「算数・数学を制する者は受験を制す」という言葉があります。学校によって差はありますが、算数・数学は点数の差がつきやすい科目なので、ここで点数を稼げると(たとえ他の教科が多少弱くても)合格の可能性が高くなるケースがあるのです。
 このような話をすると、よく「うちの子は算数・数学が苦手なので…」とおっしゃる方が多いのですが、そんなことはありません! 受験に向けての算数・数学は、出題されるパターンがある程度決まっているので、最初のうちはできなくても演習を繰り返せばできるようになります。超難関校でなければ、このようなパターン学習を積み重ねることで入試問題に対応できるようになり、合格ラインに届くようになります。
 受験に向けての算数・数学で最低限必要と思われるものは、学習習慣、無理のない学習期間、志望校に対応した学習内容レベル、講師の指導力です。これに加えて、学習内容を楽しいと感じられる授業や、周りの友達との競争があれば、さらに効果的です。もちろん基礎学力は必要ですが、才能やひらめきはなくてもほとんどの受験には対応できますし、それよりも「努力できるか」がポイントになるのです。
 さてここからが本題です。最近の帰国生入試を見ていると、以前と比べて難しくなっている学校が見られます。もし受験者数が急増していなければ、次の二つの理由が考えられます。一つは皆できるようになって差がつかなくなり、合格最低点が上がっている場合。もう一つは、今までよりも読解力や思考力、表現力が求められ、問題自体が難しくなっている場合です。
 大学入試改革を意識して、学校側はできるだけ幅広い学力を持つ生徒に入学して欲しいと考えます。そうなるとパターン化された「知識・技能」だけでなく、より多様な出題形式が登場することが予想されます。そこでポイントになるのは「国語力」で、これは受験対策だけでは対応し切れない、長期間にわたっての積み重ねが必要になります。例えば小さい頃からの読書習慣や、ニュースを通して持つ現代社会への興味・関心、あるいはご家庭の中での会話等も下地となります。
 こう書くと、「これからは算数・数学ではなく国語をやった方がいいのか~」とお考えの方もいるでしょうが、そうではありません! これからの受験でも、パターン化された学習(=知識・技術)は大前提で、それを踏まえて多様な学力が問われます。これからの教育は「AかBか」ではなく「AもBも」求められます。長期的な視野を持って、一緒に準備していきましょう。