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教育コラム 「先生、その教育もう古いです!」

【第7回】 帰国生は大学入試改革でチャンスが拡大?

チャンスをGET!

 大学入試改革からの変化を見据え、私立中高一貫校をはじめとする各高校は、現行のカリキュラムに新しい要素(例えばアクティブラーニングや英語による授業等)を加え、今までより実用的かつ魅力的な学習内容を生み出そうとしています。そのような新しい教育に対応できる優秀な生徒を集めることも同時にポイントになり、ここで帰国生が注目されているのです。
 分かりやすい例として、中学入試で英語を導入する学校がこの数年間で大幅に増加したことが挙げられます。英語を話すことができる生徒の人数が増えれば、周りの生徒が影響を受け、全体の学力レベルが上がり、大学への合格実績が向上します。そして大学入試改革以降、実践的な英語力が更に求められるようになるので、そのような学校はますます有利になるでしょう。
 英語力だけではありません。異国の地で様々な人々と触れ合ってきた帰国生は、その経験を生かして学校内で先頭に立って活躍することが多々あります。ここで発揮されるコミュニケーション能力は、「学力の3要素」の一つである「主体的に学習に取り組む態度」の「協働性」において、ますます重要度が高くなります。
 このような経験や能力は、書類選考では提出書類・志望理由書・自己アピール等、筆記試験では作文や小論文、そして面接で評価されます。特に作文や面接は、帰国生入試では学科試験と共に実施されているケースが多いのです。そしてこれらの内容は、これからの大学入試改革で多様化する選抜方法の一つとして重要な役割を担います。これは帰国生にとってプラスの要因になると言えます。
 ただしここで注意しなければいけないことは、単に「帰国生だから入試で有利になる」とのではなく、「学校側が求めているもの」つまり「これからの世界において必要とされている能力」を有しているかどうかがポイントになる、ということです。それは英語力だけでなく、コミュニケーション能力だけでなく、思考力やアウトプット能力等も含まれます。もちろんこれらを支える学力(知識・技能)は大前提となります。
 これからの時代を生きる子どもたちが身につけるべき能力は、取り巻く世界が広がり、技術が高度化する中で、私たち大人が育ってきた時代よりも多岐にわたります。子どもたちが現時点ですべての能力を身につける必要はありませんが、この海外生活を通していろいろな力を吸収できる下地を養えるかどうかは、周りの大人たちがどのように関わるかによって大きく変わります。帰国生入試は、そのきっかけの一つになるかもしれませんが、その先こそが重要なのです。