学習空間NOAH

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教育コラム 「先生、その教育もう古いです!」

【第20回】 インター校生ならば英語入試は大丈夫?

インター校

 バンコクでインター校に通う生徒数は増えていて、学習空間NOAHでも約4割の生徒がインター校生となっています。そして他の海外都市でも同様にインター校・現地校に通う生徒数は増え続け、今では日本人海外子女全体の約4分の3以上を占めています。(意外かもしれませんが、日本人学校生は少数派なのです。)
 これに加えて大学入試改革で英語民間試験が導入されるのもあり、一部の私立の中学校では英語入試等を新しく導入して、インター校生を積極的に取り込もうとしています。英語ができる生徒がいればクラスの雰囲気が変わり、良い影響を与えるケースが多いからです。
 そうなるとインター校生は引く手あまたとなり、入試で有利になる…と言いたいところですが、現実はそんなに甘くありません。特に英語1科目での入試は、この2~3年間で受験者数がかなり増えて、難しくなっています! その理由は次の通りです。

・国語・算数の受験勉強をしなくてもチャレンジできるので、塾に通っていない海外生でも受験できる。
・インター校・現地校出身者が増加しても、募集定員はそのままなので、倍率が急上昇してしまう。
・一部の人気校は教育内容の中身に対する評価も高いが、それ以上にブランド化してしまい、受験生が予想以上に集まっている。
・日本国内でも英語入試対策をメインとする塾が拡大し、エッセイ等をしっかり準備して受験する帰国生が増えた。

 このように英語入試を取り巻く状況は大きく変化しています。高い倍率の競争を突破するには、インター校に通っていた年数だけでなく、文法理解や語彙力、エッセイへの対応力、そして合格に向けての計画的な努力が不可欠となっています。それでも英語圏の学校出身の生徒たちと環境の差もあるので、努力だけでは解決できない面もあります。
 もちろんどんなに倍率が高い人気校でも、ご本人が「行きたい!」と思えばチャレンジすべきです。しかし現実的に考えたとき、その学校だけをターゲットにするのではなく、幅広い学校から選べるようにしたいものです。現在は様々な私学が改革を進めています。学校名だけにとらわれない、教育内容を重視した選択ができるのです。
 インター校生にとってチャンスは広がっていますが、それ以上に競争は厳しくなっています。英語だけでなく、国語・算数(数学)も受験向けに学習すれば、幅広く受験校を選べるようになり、入学後の可能性も広がります。バンコクは英語圏ではありませんが、中学受験・高校受験に向けてしっかり学習できる環境なので、そのメリットを十分に生かしてくれたらと思います。